【APF SP】 第4回 《いつか どこかで》 木野村レポート ~福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県

今回の「いつか どこかで」~ sometime somewhere ~は、福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県からの報告です。

今回の目的地である福島県は3月11日の夜以降、この3ヶ月で何度も足を運んだ場所。深夜に東海支局を出て東京経由で取材車サファリが向かったのは「ビックパレットふくしま(http://www.big-palette.jp)」。福島県浜通り地方の住民が多く避難している施設だ。(避難者は当初2,000人→現在約800人)

今回の福島取材で何故、この場所を選んだのか?それは、震災発生から100日が過ぎ、日本中の多くの人たちの中で、「震災は過去の出来事」になりつつあるからだ。私の知人たちもワイドショー等から伝えられる断片的な情報を元に、まるで現場を知っているかのような話をする。わずかな情報で多くを知ったようなつもりでいるが、本当はほとんど何も知らないことに気づいていない。多くの被災地では今も、終わりの見えない深刻な現実が続いている。
(いくつかの写真については、プライバシーの保護のため、シャッタースピードを遅くして写真のピントを甘くして撮影しています。)

ki01.jpg

まず館内に入り、最初に目に飛び込んできたのがこの光景。1階部分の大きな区画にある布で個別に仕切られた居住スペース。表札の代わりに名字が書かれた紙の札がぶら下げてある。奥行き50メートル程の通路が6列ほどあり、その左右に部屋が作られている。高さは約2メートルで広さは約3畳。ここから仕事や学校に通っている人も多くいるという。

ki02.jpg

室内写真。これでもまだ良いほうだと聞くが、隣の部屋とは90cm程の段ボールと布切れ1枚で仕切られている。天井は無い。整理はされてはいるが、荷物を置き、布団を敷いた状態ではどう考えても狭い。この区画内に部屋を持つ老女の話では、最初は3階に居たが1階に降りてこられたので脚腰が楽になった。ただ、床からの底冷えがあり堪えるとの声も。

ki03.jpg

写真をよく御覧いただくと解るが、手前から4区画ある。中心の一番大きな区画は2人分のスペースなので写真で見ると割と大きく感じるかも知れないが、それでも6畳間ほどしかない。先日、ワイドショーのコメンテイターが「東北の人は我慢強い。もう少し我慢してもらって・・・」という何とも言えないコメントをしていたが、この状況を知った上で話しているのだろうか?間仕切りに使われている段ボールに日の丸をイメージしてプリントされた「ひとつになってがんばろう日本」という文字。本当に気持ちまでひとつになっているのだろうか?フリをしているだけではないのだろうか?

ki04.jpg

弓型の壁に対しかまぼこのような形に仕切られた空間。薄いカーテンの右に「対応口」と書かれた札が下がる。玄関をイメージしているのか、その下には、盆栽が置いてある。また写真では端が切れてしまっているが、左奥にある線量計には「毎時0,13マイクロシーベルト」の表示。室内であってもここで24時間過ごせば、1年間の被爆量は1,138マイクロシーベルトとなる。

ki05.jpg

メインの出入口から管理事務所に向かう通路に面した避難スペース。この区画の中には自販機が2台設置してあり、しかも稼働していた。写真には写らないようにしているがこのスペースの中では、おばあさんが横になって眠っていた。通路を行き交う人から区画内は丸見えなのだ。「ビックパレットふくしま」は、非常に大きなイベント施設ではあるが、僅かな空間であっても活用しなければならないのが現状だ。

ki06.jpg

取材に行ったその日、東京にある「東京声優プロデュース」という声優養成学校の訓練生たちがボランティアで公演に来ていた。約40人程で関西と関東からの合同チームとのこと。今回の訪問は5月の初めに続き2回目。写真のように子供たちは彼らからベッタリくっついて離れない。「子供たちが少しでも笑顔いられる時間を作りたい」と、前列右の金色のズボンを履いた男性(ノザキレイキさん・21歳)は話していた。

また今回、避難所の人たちから様々な声を聞いた。避難所に残る人からは、「もうちょっと我慢するしかない。出て行くと支援の状況が変わってくる。」「家も仕事も無いので出ろと言われるまではここに居たい。」仮設住宅に当選し、入居が決まった人は、「まわりの人に迷惑をかけられないし、引っ越しは自分でボチボチやっている。仮設に当たった事は嬉しいが正直、不安はある。」また、私の友人で石巻を中心にボランティア活動をしている人が、「5月の連休以降、ボランティアが激減した。それに以前に比べて、受援される側の気持ちもずいぶん変わってきている」という話も聞く。

今回のまとめとして、新聞はもとより、インターネットが発達している今、現場の声を探り、聞く方法はいくらでもある。わずかでも時間があるのなら、現場の人たちの仕事や生活は?子供たちの状況は?動物たちはどうしてる?など、そこに自分が置かれているつもりになって、現場に何が必要なのかを考えてみることも大切なのではないだろうか?目を背けることや見なかったことにすることは簡単だが、本当にそれでよいのだろうか?
みなさんはどう考えますか?  
ではまた、「いつか どこかで」~ sometime somewhere ~
取材日/2011年6月18日
記事・撮影/木野村 匡謙

コメント / トラックバック406件

  1. The new Zune browser is surprisingly good, but not as good as the iPod’s. It works well, but isn’t as fast as Safari, and has a clunkier interface. If you occasionally plan on using the web browser that’s not an issue, but if you’re planning to browse the web alot from your PMP then the iPod’s larger screen and better browser may be important.

  2. Gold Coast より:

    This website can be a walk-through for all of the info you desired relating to this and didn’t know who to inquire about. Glimpse here, and you’ll definitely discover it.

  3. produce,Someone next time i would be a kite, or sometimes set up everybody, or elsewhere receive a superior own home, avoid using a low profile your thoughts understands restricted us so that this coronary heart lower.

  4. I do believe, only along with a drink most typically associated with normal water are up against a whole life from problematic!

  5. I must take advantage of the expertise akin to thanking you’ll at the premium advices May possibly often really enjoyed looking towards a web page. We’re planning on all the graduation involving my current or perhaps quest additionally, the completely ground moves wouldn’t happen to be fill out owning upcoming up to your blog post. House could also be of your make it possible to individuals, I’ll be privileged to assist you to as to what I come to understand from this level.

  6. I just read through the full comment of yours and it was quite good. Tienda Virtual. This is a great post thanks for sharing this great information.

  7. Gold Coast より:

    This website is really a walk-through for all of the info you desired about this and didn’t know who to inquire about. Glimpse here, and you’ll definitely discover it.

  8. Regards for sharing 日刊APFニュース | 【APF SP】 第4回 《いつか どこかで》 木野村レポート ~福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県 with us keep update bro love your article about 日刊APFニュース | 【APF SP】 第4回 《いつか どこかで》 木野村レポート ~福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県 .

  9. new sports cars より:

    Regards for sharing 日刊APFニュース | 【APF SP】 第4回 《いつか どこかで》 木野村レポート ~福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県 with us keep update bro love your article about 日刊APFニュース | 【APF SP】 第4回 《いつか どこかで》 木野村レポート ~福島第1原発の事故による放射能漏れの脅威にさらされている福島県 .

  10. PC-specific functions inside a phone call using the men and women in 2011. Pants Pocket PC provides lately are truly available, just be particular inexpensive Herve Leger bandage is now identified for the PC.